古今東西、文化は違えど世の中には星の数ほどの「おもちゃ」が存在します。
その中でも選ばれた良質なおもちゃを「グッド・トイ」と、我々おもちゃコンサルタントはそう呼びます。
今回は、そのグッドトイについてご紹介します!
グッド・トイとは何か?
おもちゃ文化や遊びの文化発展を目指し設立された「認定NPO法人 芸術と遊び創造協会(旧:日本グッド・トイ委員会)」と全国のおもちゃコンサルタントが選出・認定したものを「グット・トイ」といいます。
このグッド・トイとは、おもちゃ選びがより楽しく豊かなものになるよう支援するのを目的に、一定の基準を満たした良いおもちゃを指しています。
選考基準
選考基準は、まず3つの基準と6つのポイントをクリアしなくてはなりません。
3つの基準
1.健全なおもちゃ
安全性への配慮を評価するとともに、暴力行為、他を傷つける行為を連想させるもの、遊び内容が暴力的であるものは選ばれません。
2.ロングセラーおもちゃ
流行を求めた一過性の楽しさではなく、ロングセラーのおもちゃとしての可能性を評価します。
3.遊び・コミュニケーションを尊重しているおもちゃ
知育、早期教育への偏重を慎重に取り扱い、ユニバーサルな遊びとコミュニケーションを尊重した選考を行っています。
6つのポイント
1.美しい色と形
2.動きのバリエーション
3.適度な大きさと重さ
4.心地よい音
5.感触のよさ
6.丈夫さと壊れにくさ
選考方法
エントリー後、3つの基準と6つのポイントがクリアされているおもちゃは、ファイナルステージへと進出。
全国約2000人の投票権をもつおもちゃコンサルタントによる投票で決定します!
2020年からは全国4カ所で「五感で遊べる投票会」というイベントが開催され、
エントリーされている実際のおもちゃを5感をフルに使ってジャッジしていきます。
そして投票後におこなわれるグッド・トイフォーラムにて、その年のグッド・トイが発表されます!
グッド・トイの歴史
グッド・トイの選考が始まったのは1987年。
なんと、約30年前です!!
1年間に約1万個発売されるというおもちゃの中から選りすぐりのものを選ばれています。
1987年あたりに選ばれた(現在購入可能な)グッド・トイはこちら
クルミ・コロコロ(1987年)
何年もかけて乾燥させたクルミが入ったガラガラです。振ると木とクルミがぶつかって「カラカラ」と優しい音がします。
中に入っているクルミをつまもうとする動きは、自然と指先を使う練習になります。また、転がしてハイハイしながら追いかけたりと、振って音を楽しむ以外にもたくさんの遊び方ができます。
このおもちゃで遊んだことがある!持ってる!という方はいますか?
とても優しい「カラコロ♪」と音が鳴ります。
グッド・トイの良いところ
ここからは、私の個人の感想になります。
なぜ、この「グッド・トイが良いな」と思うのか。
先ほどでもご紹介しました、3つの基準にもありますが
「ユニバーサルな遊び」「コミニュケーションを尊重した遊び」であるおもちゃが多いことです。
おもちゃという言葉はしばしば”子どもが遊ぶもの” ”廉価版”という意味で使われます。
そして親がぐずっている子どもに「ハイハイ、これで遊んでなさいね」と赤ちゃんを黙らせるのにガラガラを握らせる、おしゃぶりを咥えさせる・・・
そんなイメージがおもちゃにはあると思います。
しかし、私は本来おもちゃというものは、他者とのコミュニケーションツールであり、発達を促す”材料”であると考えています。
なので孤独にさせるものではなく(もちろん1人の世界を楽しむためのおもちゃも存在し、それが必要な場面もあると思います)
お友達、先生、家族と「おもしろいね」「たのしいね」「これってどうするんだろう?」「できたね!」と、子どもから大人まで楽しむことができるアイテムだとおもいます。
それが可能にするのが、グッド・トイなどの”おもちゃ”です。
大人もたのしめるグッド・トイ
ここで幾つか、個人的におすすめグッド・トイをご紹介します。
バームクーヘン(2012年)
バームクーヘンをモチーフに円形を6種の尺のパーツに切り分けた積み木。
弧を活かして、トンネル遊びやバランスゲームなど、他の積み木にはできない、たくさんの遊びが展開できます。
平面は一人でも作れますが、円や複雑な形は誰かの協力が必要という点も魅力です。
サンドピクチャー(2011年)
砂の落ち方次第でいろいろな形に見え、美しさを感じることができる。模様は一期一会。
二度と同じ模様ができないという楽しさもあり、家族や友だちと一緒に楽しむと、見ているだけで会話が広がります。
空気の量を調整すると砂が落ちる速さが変えられるのも魅力のひとつ。
入院中のベッドサイドでも飽きずに眺めていられるため、起き上がることができない時でも楽しめる人気のおもちゃです。
スティッキー(2005年)
さいころを振り、束が崩れないように出た目の色のスティックを抜くゲーム。
太さの異なる3色のスティックを木製リングからいかにうまく抜き取るかが勝負の分かれ目。
シンプルなルールで小さなお子様から大人の方までみんなで一緒に楽しめるので、パーティーなどでも大活躍です。
高齢者遊具100選の一つです。
チロリアンルーレット(1997年)
コマを回して玉を弾き、穴に入れるゲームです。
それぞれの穴には点数が書いてあるので、入った点数を競い合って遊びます。
玉がコマに弾かれ、穴に入っていく様子を誰もが見届けてしまいます。
また、コマに玉が弾かれるときのパチパチという音も心地よく、得点の計算ができない年齢でもコマを回せれば十分に楽しめます。
高齢者遊具100選の一つです。
グッド・トイで遊んでみませんか?
いかがでしたか?
3つの基準と6つのポイントをクリアし、更に投票によって決まる「グッド・トイ」
魅力が少しでも伝われば幸いです!
しかし、真の魅力は実際に遊ばないと分かりませんよね。
ToyPlayJoy.LABOでは、このグッド・トイを体験できる「おもちゃの広場」というイベントを北九州市で開催します。
今回ご紹介したおもちゃ以外にもたくさんのおもちゃがありますので、ぜひ遊びに来てくださいね!
最後までお読みくださってありがとうございました!